フェニックス号は天神バスセンター、博多駅横のバスターミナルを出発し宮崎市
まで約4時間半で結ぶ1988年に開設された高速バスです。当時鉄道で宮崎〜福岡間は
小倉経由で7時間近くかかっていたのに対し、フェニックス号は5時間半(当時)と速く、
運賃も安く鉄道のグリーン車並みのサービスとあって連日満席が続くほどの人気となり
ました。現在でも1日28往復、ピーク時間帯で15分ヘッドという便数を誇ります
4社のバス会社による共同運行です。宮崎側からは宮崎交通
福岡側からは西鉄バス
当初から人吉にも停車していたことから熊本から九州産交バス
はじめは敵対して独自の路線を走らせようとしていたものの
九州運輸局の調停で1年後に共同運行に加わったJR九州バス
バスは背の高いバスが使われます。ハイデッカーというのとさらに高いスーパー
ハイデッカーという車種がいます。画像のはスーパーハイデッカー。全高3.6m
ごくふつーの貸切バスはハイデッカーです
スーパーハイデッカーは階段を6段昇ってやっと通路に達します
ハイデッカーは5段
フェニックス号は当初全社で統一したデザインの塗装をしていました
大きな荷物はトランク室に預けましょう
これは便利なスライド床を装備した車両
基本の配列は横3列になります。幅広で大変快適です
一人ぶんの横幅は52cmくらいあります
前方が3列、後方が4列になっている車両もあります
西鉄(画像の)全便と宮交の半分の便がこの配列です
運賃ですが3列シートの場合で4500円、4列シートで2500円です
ビジネスクラスとエコノミークラスのようなもんです
4列シートはツアーバス対策として設置されました
宮交の混合配列の例です。「セレクトシート」という名称です
これはJRバス。左右どっちが一人席かはバス会社によって、
もしくは同じ会社内でも導入時期によって入れ替わることもあります
産交便の車両の半数は通路が2本ある夜行仕様になっています
シートのグレードにも多少違いがあります。これはふくらはぎ乗せまで
装備した当たりシートです、これに枕まで付けば大当たりです
なんかプチデラックスに見える座席の車両もいます
各座席のシートポケットにはヘッドホンが用意されていて
旅客機のように音声を聴くことができます
聴けるのはモニターの音声とラジオのみ。昔は1〜4chすべてで
音楽CDが流されていましたが、これにも著作権料が発生するとかで
コスト削減で廃止されちゃいました。誰の選曲なんだ?と思うほど
コアなCDが仕込まれてたりすることもありましたですよ
出発時にはテレビが映ってますが高速に乗るとビデオ・DVDが流されます
終点までにだいたい2本流れますね。この日は脇役のジェレミーレナーが主役を食って
いた映画が流されました。吹き替えじゃなく字幕の洋画も容赦なく流れます
昔は寅さんや釣りバカが大定番でしたけどいまはレアなものもガンガン流します
「席割」と区別される安売りの4列シートはこんなかんじです。足置きもない
簡素な座席です
前の3列席との座席幅の違いがよくわかると思います。足元の余裕も違います
違いはシートだけではなくサービス内容も違います。オーディオ装置が付いてません
混合シート車の場合、後方のモニターは消されたままだったり撤去された
車両もあります
なにもここまでしなくてもって気もしますがこれが2000円差の現実です
長距離便ということでトイレが付いています。これは中央の地下室にあるもの。
最後方に設置された車両もいます
地下室のトイレはこんなかんじ。
座席1列ぶんの幅ですのでさすがに狭いです。方向転換もやっとです
非常用と考えてください。でもジャストサイズでなんか落ち着きます
これは最後方に設置されたトイレの例。コンパクトに収められて
いますので乗ったら是非観察してみてください
2000年くらいまではサービスコーナーがあってセルフで呑み放題でした
熱湯ポットがあってインスタント品にお湯を注ぐのです
コーヒーと緑茶は全社標準。紅茶まで置いてる会社は太っ腹でした
あとフタを用意している会社も拍手モノでした
これも経費削減で惜しまれながら廃止になっちゃいました
なかなか満ち足りた気分で旅行できたんですよ
開業当初はおしぼりなんて布製で温められてたんですから
中間点、両始発から約2時間後の宮原SAで10分間の休憩があります
トイレなどはこちらで済ませればOKです
レストランもあるわりと大きなサービスエリアですのでスナックから
九州土産までいろいろ売ってます。10分しかないのでじっくり買い物という
わけにはいきませんが。
おまけで運転席でもご覧いただきましょう。汗臭い男の職場です
これは日野車。ワンマン機器がゴテゴテ貼り付いています
これは三菱ふそう車
メータパネルはこんなかんじ。バスは空気圧で作動させるものが多いのです
シフトパターン図が見えてますがバスは基本的に2速から発進します
最近のバスは電気式のシフトノブが使われていてカチカチとゲーム
コントローラーのように変速させます
ごちゃごちゃとした横のパネル。大半は照明と灯火のスイッチですね
左上のフタ付きのがドア開閉スイッチ
これ福岡線じゃなく熊本線の企画なんですけどくまモンを乗せる
という無謀なことを4月までやってます
貴重な1席を完全に潰して乗せています
この隣の座席は「くまモンシート」と称して指定できます
追加料金は必要ありません
1便だけ宮崎県のゆるキャラも乗ります。マイナーなので「誰?」と思われる
に違いありません。詳細はこちらで
以上宮崎行きフェニックス号の紹介でした。福岡からだと宮崎線、延岡線、鹿児島線
がこの手の豪華仕様車での運行になります
なお3日間、九州内の高速バスが1万円で乗り放題になるサンキューパスなる切符も
販売されていますので、遠出をされる際には是非使い倒してくださいね
もしフェニックス号に興味を持ったら時刻表などはここで確認してみてください
延岡・高千穂行きごかせ号の案内はこちら。高千穂峡に行った様子はここ
通潤橋にもバス停から徒歩で行けるんですよ。こんなかんじ